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第4章 表参道から西麻布、そしてイギリスガーディアン紙が選ぶ「東京No. 1居酒屋」への道

2016.12.19 BASICSヒストリー

アパレル時代に働いていた街『表参道』

そして居酒屋修行時代に働いていた街『表参道』

さらに、シコタ、コージと出逢った街でもある『表参道』。

その念願が遂に叶って俺たちは表参道に『てやん亭”』を出店しました。

場所はとんかつ『まい泉』のある
住所では原宿2丁目という
今では表参道ヒルズからチョイと裏手に入ったビルの1階の目立つ物件でした。

表参道の『てやん亭”』は
苦労を強いやられた西荻窪店とは裏腹に
開店当初から好調な売上を上げていた。

もちろん僕も当時は厨房に立ち料理を振舞っていた。。。

連日連夜ひっきりなし御来店される御客様のその数に
我々…というか
俺自身が『都心』での商売のパワーを
身を持って感じされられる事になると同時に
戸惑いも感じながら商売をさせていただく事となりました。。。

西荻窪という
お世辞でも一流とは言い難い街の
雑居ビルの地下から
今度は世界のファッションの中心地でもある

そして東京のランドマーク的な存在の街『表参道』。

そんな
例えばビルの地下から
いきなり最上階に登りつめた様な感覚で
俺は日々仕事に追われていた。

御客様は黙っていても来る、、、

あの俺たちが
西荻窪で経験した苦労は一体何だったのだろうか?

そんな事を疑問に思いながらも
毎夜毎夜、御客様はひっきりなしにやって来る

それと同時に客層の違いにも驚かされた…

と、言っても大凡の予想はついていたのだけど
場所柄、アパレルや広告関係者、モデルやタレントさん
そしてCA(当時はスチュワーデスと呼んだ)などなどの
いわゆる華やかな職業の方々で連日席は埋め尽くされて
若い僕らは度々鼻の下を伸ばしながら営業をしていた(笑)

約18坪50席(詰め詰めの状態)の表参道店は
開店当初から月商は800万以上を軽々と売上でいた。

極め付けはクリスマスシーズンの表参道のイルミネーションだった。

この時期はまだイルミネーションと言えば原宿表参道くらいしかなくて
イルミネーションが点灯されると
毎晩毎晩
想像を絶する人々が表参道に大挙して押し寄せたのでした。

表参道に大挙して押し寄せた『観光客』はそのまま近隣の飲食店に立ち寄って飲食をすることになり
表参道界隈の飲食店は大変な混雑になってしまいます。

もちろん僕のお店もその中の一つ。

その12月の売上は
忘年会シーズンとイルミネーション効果によって
売上は実に4桁を超えてしまいます。

まぁお店的には当然儲かって儲かって喜ぶべき事なんでしょうが
どうも私には納得のいかない部分がありました…

連日ひっきりなしに来る御客様

そして、強気の2時間入れ替え制

すし詰め状態の店内…

席が狭いと苦情を漏らして帰る御客様がいた。

2時間入れ替え制に不服な顔をして帰られる御客様もいた。

こんなんで
果たしてこれで御客様は納得して
心から喜んで帰ってくれてるのだろうか?

果たして我々は御客様に対して満足の行くサービスが出来ているのだろうか?

出来て無いよな、、、

思えば表参道にお店を開店して以来
何の苦労も無く流行ってしまった事に
いつの間にか俺自身が胡座をかいた商売をしてしまっているのではないだろうか???

あの
御客様が来なくて来なくて皆んなでとことん悩み
そして苦しんで
必死にハングリーに御客様に喰らい付いていた俺たちは
一体何処へ行ってしまったんだ…

こんなの俺たちが目指してた『てやん亭”』じゃ無い。

俺たちは常に御客様の為に
御客様を第一に考えて来たはずが

いつの間にか『店の都合のいい商売』をする様になってしまっている自分に気が付いたのです。。。

そう思った俺はすぐ様2時間入れ替え制を廃止した。

狭い店内だったのでゆとりのある座席は確保出来ないにしても
2時間入れ替え制廃止によって
少しでもゆとりのある営業をして
御客様に不愉快な思いをさせてはいけない気持ちで取り組む様に心がけました、、、

と、同時に
僕の頭の中では既に3店舗目の構想が芽生えていたのです。

理由は『バック トゥ ベイシック』

要は『基本に帰れ』ってこと。

社名である『BASICS』は僕のそんな想い

つまり

どんな事があっても『商売の基本を忘れるな』という事。

『全ては御客様の為に』

その気持ちが薄れて来たら俺たちは終わりだ…

商売とは利益を出す事も大切なんだけど
利益を出すことの前に
先ずは御客様の満足度を上げることが最優先である

御客様の満足無くして我々の利益は無い。

また
御客様が心がけ満足して下されば
自ずと利益は後から付いて来るもんだ

と、俺は思っていたからだ…

それになんと言っても『人』が育たないです。

何の苦労もしないで
いや
何も苦労をさせないで『人』が育つ訳が無い。

俺は勝手にそう思い込んでいた。

だから3店舗目は
またまた思いっきり苦労を強いやられる様な『悪立地』で挑戦すると心に決めていた。。。

そして物件探しが始まった。

商店街では無くて飲食ビルでも無くて

駅から遠くて路地裏で

人通りが無くて暗い場所…

苦労をしなきゃ絶対に御客様が来て下さらない。

そんな場所…

そんな条件に当てはまる物件がとうとう見つかってしまったのです。

場所は西麻布の住宅街の木造二階建ての一軒家。

とんでもない場所でしたが

この物件を見た瞬間に私は「ここで面白い居酒屋をやるぞ!」

と、3秒で決断し不動産屋さんに申し込みを入れる事になるのでした…

続く…

2016/12/19 11:14 BASICSヒストリー